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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2005年04月のニュース一覧
▼[2005.04.29]規範
▼[2005.04.27]クズ×クズ=クズ
▼[2005.04.25]燃えるゴミの日
▼[2005.04.23]深閑閑静静粛の間
▼[2005.04.21]相剋のしじま
▼[2005.04.19]電話後の社会
▼[2005.04.17]不幸な交渉
▼[2005.04.15]ライフ・トゥ・シンク
▼[2005.04.13]街検索スクロール
▼[2005.04.11]フィリーの空
▼[2005.04.09]精必点
▼[2005.04.07]できる個人情報漏洩対策
▼[2005.04.05]ディスクサイズジャーナリング
▼[2005.04.03]罪たるもの
▼[2005.04.01]恐竜がいる風景

■2005年05月のニュース一覧
■2005年03月のニュース一覧


 
[2005.04.29]
  規範


 ▼P2p population almost doubled(p2pnet.net)【英語】
  http://p2pnet.net/story/4670


 ファイル共有を規制しようなんてムダなことをいまだに続けている人間は,明治憲法を守れと云っているようなものだ。わたしたちは,いま,の法を守ればよい。それがネットワークでずっと生きていくための,唯一の規範だ。

quote:レコード会社は,ファイル共有が減少して有料の音楽配信が伸びていると報告しているが,本当の真実は正反対である。2000年からピア・トゥ・ピア(P2P)ファイル共有への参加人数を追跡しているスライク・コムの記事では,2005年3月の調査結果は2003年1月の倍にふくれ上がった。その間に1万人近い人間を著作権違反として訴えているにもかかわらずだ。ファイル共有に対する関心はとどまることなく続き,消え去ることはありえないようだ。

 日本の音楽業界がどんな報告を出しているのかわたしは知らないが,米国のレコード会社とおんなじような,うそを口走っているのは想像できる。そして,実際のファイル共有の稼働率も米国同様か,それ以上になっていることは肌でわかる。つまり,なんらかの規制をもくろんでいる人間がやっていることが,ファイル共有を減らしたことはかつて一度もないし,今後も未来永劫あり得ない。もし,それを行おうとするのなら,すべての人間がネットワークへの接続を一切行えないように規制するしかないからだ。

 多くの人がブログを作成しているが,ブログなどのウェブページとファイル共有は,実際のところなにも違いがない。すべてのウェブページは情報の共有のためにあり,そこに載せていい情報と載せてはいけない情報は,倫理観の問題以外あり得ない。ファイル共有をなくせと発言することは,ブログを全部潰せと云うことと同じである。そんなことが不可能なのは,よほどのバカでない限りわかっているはずだ。映画であれ音楽であれソフトウェアであれ,すべての価値あるものはネットワーク上で共有され,必要としている人の手元に運ばれる。なにもおかしいことではない。ネットワークとは,最初からそのためにあるのだから。



 
[2005.04.27]
  クズ×クズ=クズ


 ▼French court bans DRM(p2pnet.net)【英語】
  http://p2pnet.net/story/4638


 クズに飼われているクズしかモノを作れない時代に,まともなモノなど表れるはずがない。

quote:フランスの控訴裁判所は,DVDにDRM(デジタル権利管理)を組み入れることは個人がDVDをコピーする権利と相容れないと言明した。権利を勝ち取ったフランスの消費者権利協会は4月14日にコピー保護された音楽CDの禁止を求めた裁判に負けていたが,今回はDVDでまったく逆の判例を得たことになる。「フランスでは個人使用のために作品をコピーする許可が与えられることが,著作権法で明確になった」。

 著作権,と云う言葉は,現状,作品のためにあるのではない。一部の人間の金のためだけにあるものだ。作品の価値を高めもしないし,理解も促さない。かえって,正当な利用を封じ,作品の価値を貶め,将来的に語り継がれる希望を失わせる。フランスで出た判決だが,さてそれでは日本や米国のDVDを再生すると最初にうざったく表示される,このDVDを複製するとなんたらかんたらと云う表示はどうしたらいいのだろう。まぁサクッと取り除けばいいだけなんだけど。

 著作権によって,すべての作品はダメになる。BBC NEWSの記事は,オンラインミュージックを愛する者たちは「失望し始めている」と述べている。自由に聴くことができない,欠陥商品であると述べる。もちろんそこで云われているオンラインミュージックとは,もっともシェアがあるiTunes ミュージックストアのことだ。いま,音楽や映像の作品を作っている人間は,まともな作品の公開がまったくできない不幸のなかで生きている,と結論づける人もいるかもしれない。だが,本当にそうだろうか。本当にまともな作品の公開場所を探しているだろうか? なにもせずにダメな作品の公開場所に作品を投げ捨てているだけだと云えないか? 目の前の金にだけ目を向けて,未来のための,恥ずかしくない作品の置き場所を求めていないのだとしたら,クズと同列のクズでしかない。そんな人間に同情する必要はないな。



 
[2005.04.25]
  燃えるゴミの日


 ▼Man unearths MoD secrets at rubbish dump(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/04/21/mod_laptop_probe/


 ネットワークとは,ある意味ではごみ捨て場であり,漁ればおもろいゴミがわさわさ出てくる。毎日漁りまくっている人も多いだろうし,それはさして珍しいことでもない。すべてのゴミは,共有物なのだよ。

quote:マーチン・ダン氏がごみ捨て場から拾ったノートパソコンのなかに,英国陸海軍がテロ攻撃の際にどのような行動を行うか,などを記した70個のトップシークレットのファイルがあった。暗号化の専門家は,このようなデータはぜひ暗号化されるべきだと述べる。国防省のスポークスマンはノートパソコンが国防省のものであったか調査を始めたと述べ,同省が設備を処分する際には機密情報が漏れないように手順を踏んでいると付け足した。

 日本の小中学校でも廃棄パソコンから個人情報が流出,と云う事件があったようだ(Impress INETNET Watchの記事)。5万円で買い取れなんて,なんて良心的なバカだと笑えるが,話が英国国防省のこととなると一大事どころぢゃないかもしれない。どうも2002年に国防省が紛失した594台のノートパソコンが(The Registerの記事)今回のニュースにつながったのではと云われているが,シャレになってないようだ。

 ゴミを拾って生計を立てているおじさんを知っている。自分が捨てたゴミを漁られるなんて嫌だと思う人が多いのは当然だろうが,嫌だと思う分,恥ずかしいものや隠しているものも出てくる。おじさんはそのゴミで脅したりするのは面倒なので,古物屋に持ってって金になるものしか扱わないらしいが,リサイクルにまわさず山林などに放置してあるパソコンなんかはいい金になるんだそうだ。ハードディスクの中身も漁れば,もっと楽しいものがみつかるかもよと伝えたが,そんな面倒なのはゴメンだと,なんとも謙虚なおじさんなのだった。この世のすべてはゴミである。そして,ゴミほど楽しいものはない。ネットをみてれば,それがよくわかる,よね。



 
[2005.04.23]
  深閑閑静静粛の間


 ▼Woody Norris has a way of getting inside your head(Popular Science)【英語】
  http://www.popsci.com/popsci/bown/article/0,16106,388134,00.html


 すべてのスピーカーがハイパーソニック・サウンドになれば,数歩歩けば雑音は消える。この社会は,ちょっとだけ生きやすくなる。

quote:発明家のウッディ・ノリス氏は,これはオーディオの77年の歴史の一大事だと述べる。彼の発明したハイパーソニック・サウンドは,伝統的なスピーカーとは異なって150ヤード(約137m)離れても音質や音量が衰えず,レーザーのように音が直進する。わたしは9月にノリスと会ったが,彼は30フィート(約9m)離れてわたしに7インチ平方のエミッターを向けた。すると突然,わたしには自分の頭のなかで鳴り出したかのように,鳥の鳴き声が聞こえてきた。高周波の信号は拡散せずに進み,空気に当たって超音波を引き起こすことによって,音が聞こえるのだ。

 記事ページにノリス氏がそのエミッターを持っている写真があるが(キャッシュ),単なる板にしかみえない。だがこの板から音がビームのように進み,ビームに当たった人には音が聞こえる。ちょっとでもずれて当たらないと音は聞こえない,らしい。記事にあるが,ひとつのフロアで片方をディスコホールに,もう片方をサルサホールにすることもできるし,周囲の家庭に騒音をまき散らすことなく救急車のサイレンを街路に響かせることができる,らしい。トンデモ系かどぉか試してみたいものだが,お値段も600ドルと手ごろだったりする。

 とかくこの世は雑音だらけだ。選挙なんてあると右から左から聴く必要もないマイク音声がきこえてくるし,近くにいるiPod野郎からは聴きたくもないアニソンが漏れている。近くのダンス教室は週に3回足踏みとともに楽曲を垂れ流し,食事をする場所を大声を出す場所と勘違いしている変人も多い。ハイパーソニック・サウンドがマヂモノなら,いますぐ音声の聴こえる範囲を固定し,そして逆に要らない音声を遮断する装置として使えるだろう。たとえばヘッドフォンに使えば,音は直進して耳に穴に入るだけで,周囲に漏れずにすむ。世界は少しだけ,静かで穏やかになるだろう。



 
[2005.04.21]
  相剋のしじま


 ▼Project to open internet to blind(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/4457793.stm


 広いネットワーク上のなかにあるちいさい1ページをみるかどうかはその人の自由だが,みたい人には制限なくみることができる作りでなくてはならない。それがないなら,最初から存在している価値もない。

quote:盲人がインターネットにアクセスしやすくする3年計画が,ベルファストのクイーンズ大学で始まった。欧州連合(EU)は盲人補助について行っている13のプロジェクトに,3800万ユーロを資金提供している。触覚型の表示スクリーンと音声によってガイドすることができる機器がショッピングセンターなどにあることによって,盲人の外出が助けられている。「インターネットは人々が生きることに大きな影響を与える。だが盲目の人やその他の障害を持つ人は,その利便さを活用することができない。その近づきにくさが解決されないと,デジタルデバイドはもっと大きくなってしまう」と,盲人の裁判の補助も行っているアラン・マーシャル教授は述べる。

 昔からよく云われていることだが,ウェブページのメニューを画像で表示したり,フラッシュで表示したりするページは迷惑でしかない。画像なら最低限,ソースのaltタグで説明を加えていればいいが,それさえないウェブページも多く,表示される本文も全部フラッシュと云うダメなサイトも相変わらずある。別に個人が趣味で作っているページならそんなのでも構わないだろうが,まったく盲人が操作できないようなページを作って喜んでいるような企業や団体は,まぁそれぐらいの価値しかないと決めつけてしまっていい。本人はカッコいいつもりでいるかもしれないが,役立たずの能無しでしかない(そんなサイトは山ほどあるけど,こんなの)。

 空気と水のように,ネットワークはなければいけない。ネットワークは一部の人間の遊び道具でもないし,特殊な仕事の道具でもない。子どもであれ老人であれ,無能な警察官であれ殺人犯であれ,空気と水と同じようにネットワークは使用してよい。クイーンズ大学の計画の根底には,それをきちんとわきまえ,ネットワークに壁を感じている人たちを早急に改善することが大切だとわかっていることがうかがえる。このようなことが行われる社会は正しいし,見向きもせずにあさっての方ばかりを向いている社会はおかしい。さて,ブロードバンドが世界一普及しているとふんぞり返っている東アジアの国は,どぉだろね。



 
[2005.04.19]
  電話後の社会


 ▼Skype scores 100 millionth customer(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/04/18/skype_ups_offer/


 24時間,ただ息遣いだけを伝えあっているカップルがいる。話すことよりも,手をつなぐような通話が欲しい女の子がいる。もう,電話と呼ばれるものは,必要ない社会となる。あるのは,スカイプだけだ。

quote:VoIPの巨人,スカイプ社はスカイプが1億回ダウンロードされたことを祝い,2つのサービスを開始した。スカイプインは,一般電話や携帯電話からの電話をスカイプで受けられるもの。料金は3ヶ月10ユーロ(約1400円)。デンマーク,フィンランド,フランス,香港,スウェーデン,英国,米国のユーザーが利用できる。ボイスメールサービスはスカイプでの通話を受けられないとき,10分までのメッセージを記録しておけるもの(スカイプ社のプレスリリース)。

 前回(過去記事)不足だと云ったことが,1ヶ月後にあっさり解決してしまった。こんなあっさり解決する日が来ると思わなかったが,付け加えるべきものがはっきりとしていて,その志向をしっかりと見定めて開発が行われている証拠と云えるだろう。ユーザーに近い開発を行っている,有能な企業の一例だ。スカイプ社としては,いままでの一般電話,携帯電話との相互互換性が強まって,双方にとって有用である,と云うような態度を示しているが,本心は異なる。これでスムーズに,スカイプのみの音声通話環境へと移行できることを確信しているはずだ。

 いままでは,すべての音声通話をかけるときはスカイプからかけ,受けるときはスカイプと携帯電話・一般電話を併用していた。が,これでスカイプを使用していない人からの音声通話を受けるのもスカイプですむことになり,つまり,一般電話や携帯電話は必要性を失う。そのうちフィラデルフィアでの計画のようにWi-Fi網が街中を覆えば(過去記事),どこでもスカイプの送受信ができるようになり,いままでの電話はいっさい必要なくなる。いままで金を稼ぐ意地汚い人たちが渦巻いていた電話通信環境がすべて捨てられて,きれいな社会となる。いまはそれまでの道のりを歩いているだけに過ぎない。



 
[2005.04.17]
  不幸な交渉


 ▼Apple Japan 'will' open Music Store - chief(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/04/13/apple_japan_itunes/


 「交渉事には,誠意というものが必要だ」とロジャー・スミスは云っていた。誠意のカケラもない人間と交渉しなければいけないことは,不幸でしかない。そして,この国で音楽配信なんてしているのはマヌケな人間だけなので,わざわざマヌケの仲間入りする不幸も背負うことになる。

quote:毎日新聞によると,日本のアップル社の代表である前刀禎明氏は日本でiTunes ミュージックストア(iTMS)を年末までに開始すると述べた。だが日本のレーベルは,どんな音楽CD価格引き下げにも応じていない。アップルはCDをプレミアム商品と位置づけて,iTMSでの低価格なダウンロード販売をしてきたが,さて,日本では「99」の数字をどのように使った価格設定にできるか楽しみではある。

 その毎日新聞の記事には確かに「年内に」とあるが,その後アップル・ジャパンからはいつまでにやるかなんて云ってないとあっさり否定されたようだ。まぁよく読むと「今後,主要レコード会社と交渉し」なんて書いてあって,交渉する前から今年中にやるなんて云うわけがない。年内にレーベルとの交渉も含めて事業として開始するってだけのようだ。誤解させる見事な釣りテキストっぷりに開いた口がふさがらない。つか,いままで交渉してもいなかったという事実にかなりゲンナリとするが,まぁ急いで交渉しに行ってもどんな扱いを受けるかは想像できるので,まだ交渉前だと云うのはバカバカしいが正解なのかもしれない。

 わたしとしてはThe Registerと同じく,いったい1曲いくらで交渉に入るのかが気になる。米国では0.99ドル(106.68円),カナダでも0.99ドル(86.07円),英国では0.79ポンド(160.66円),フランス,ドイツ,イタリアなどの欧州では0.99ユーロ(137.24円)となっていて,英国はちょっと異なるが「99」という数字を入れるのが最優先と取れる。アップル・ジャパンがいくらぐらいが適性と判断しても,「99」を数字に入れろというのがスティーブ・ジョブズだ。本当は99円が最適だろうが,安過ぎてあり得ないのはすぐにわかる。199円なら御の字。299円では他国と差が開き過ぎるとスティーブはダメ出しするだろう。だが御の字の199円になっても,他国の動きをみて期待していたユーザーには考えられない高額で,かなり批判が出ても変ぢゃない。交渉前からこんなうんざりするバカバカしい交渉を行わなければいけない人が,かわいそうだナ。(ネタ元:RECO-PLAY.COM



 
[2005.04.15]
  ライフ・トゥ・シンク


 ▼Apple: Mac OS X 10.4 to ship 29 April(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/04/12/apple_tiger_osx/


 本当は誰でも,自由に自分のウェブスペースなどを利用して,このXSinc機能を利用できればよいが,まぁ.Macユーザーを確保したい気持ちもわからないでもない。OSとして,同期,というよりもネットワーク上での設定保存は,真路である。

quote:アップル社は,別名タイガーと呼ばれるマックOS X 10.4を4月29日午後6時に発売する。タイガーは,システム全体を検索するスポットライト機能など,多数の機能を積む。また,メイル,iCal,アドレスブックなどがアップデートされ,スポットライトへの統合とOS内蔵の同期エンジン(XSinc)として動作するiSyncで同期ができるようになった。

 4月29日の午後6時というのがどのタイムゾーンなのか明確でないと,英国のウェブサイトであるThe Registerは述べ,オーストラリアのマックユーザーが最初にアップグレードできるかもしれないのは,オーストラリアのiTunes ミュージック ストア(6月開始の噂も)の開始が遅れているお詫びかもしれないねとしている(まぁ日本も似たような状況にあるが)。ほぼ噂通りの発売日程となったが,毎年毎年,1年に1回のアップグレードがよく続いていると思う。強い先導者(仕事氏)の能力によるものだろう。

 いまのところいちばんうれしいのは,同期機能の強化だ(アップル社のページ)。.Macのユーザーだけに限られるが,いままでのサファリのブックマークやiCalの予定表,アドレスブックに加えて,メールの設定,署名なども同期できるようだ。ノートとデスクトップなど,複数台のマックを利用している者には助かると思う。そもそも,将来的にはすべての保存データ,設定データはネットワーク上に配置されることになる。ローカルのハードディスクに意味などなく,ネットワーク上にあっていつでも同じ環境を維持できてこそ,人はスマートに生きられる。iDiskの機能などまだまだのところも多いが,同期機能の進展は,OSがよい方向に向かっていることを示している。



 
[2005.04.13]
  街検索スクロール


 ▼Google Local Results Go Mobile(PC Magazine)【英語】
  http://www.pcmag.com/article2/0,1759,1784762,00.asp


 きょうのデートで行く店は,グーグルだけが知っている。街を検索して移動しろ。

quote:グーグル社は,携帯電話などのモバイル機器用にグーグル・ローカルのサービスを追加した。http://mobile.google.com/local/にアクセスし,探す店の種類と場所のふたつを入力すると,その場所付近の店の一覧がリストされる。地図はグーグル・マップの縮小版。なんどか試してみると,たまに異なる州の都市が表示されることがあるが,番地まで入れると完璧だった。

 グーグル・ローカルのページはパソコンのブラウザからでもきちんとアクセスできる。もちろん米国の情報しか表示されないのだが,使用言語を日本語にしているときちんと日本語表記で表示される。たとえば今いる場所にインディアナポリス(indianapolis)と入れて,キーワードをハンバーガー屋(hamburger)とする。結果には近いエリアにあるハンバーガー屋がリスト表示され,住所や電話番号がわかる。ではちょっと遠いけど車でチーズバーガー・イン・パラダイス(AOLシティガイドのページ)まで行こうとクリックすると,よりクローズアップした地図と一緒に詳細が表示される。よくできてるなぁ。申し分ない感じがする。

 ホントはパソコンを開ければいいのだが,なかなか難しいこともある。いまはそれの代替物として携帯電話などを使うことになる。だが性能が追いついてなく,画面も小さいことでほとんどの場合役に立たない。特に日本はひどく,業者の金儲けにつながる情報しかないので,グーグル・ローカルのようなサービスは感動すらおぼえる。近いうちに携帯電話なんてなくなるが,それまでの間,グーグルのような会社によって少しだけ利用できそうだ。



 
[2005.04.11]
  フィリーの空


 ▼Philadelphia plans nation's first citywide Wi-Fi network(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/wireless/2005-04-07-philly-wifi_x.htm


 より高い空が,この街にはある。日差しと,風のにおいと,絶え間ない接続と。

quote:フィラデルフィア市は来年,米国でもっとも大きなホットスポットになる。同市は昨年,ダウンタウンのラブパークの半径1マイルをWi-Fiでおおったが,それを市全体の135平方マイルの地域に拡大する。この「ワイヤレス・フィラデルフィア」ネットワークは来年夏までに完成し,1ヶ月最高20ドルで利用できる。「人々はつながっていることを望んでいる。それを提供するのは我々の義務だ」と同市のジョン・ストリート市長は述べる。

 135平方マイルと云うと216平方km。そのエリア全体で,漏れなくネットワークへのアクセスが保証されるというこのプロジェクトは,今後の世界全体にインパクトを与えるだろう。いままでも同様のニュースはいくつかあったが(過去記事12),人口150万人の都市が丸ごとWi-Fi網でおおわれるなんて,常識を覆すプロジェクトだ。このプロジェクトが軌道にうまく乗って評判を得られれば,米国のすべての都市で同様の動きがみられるようになるだろう。

 月20ドル(約2200円)なら,数日滞在する旅行者でも料金を払って利用できる金額だと思う。ビジネスの街であるフィラデルフィアだから,利用するビジネスマンも多いだろう。なにより,ネット接続環境がないすべての家庭で,Wi-Fi機能を持ったパソコンを買うだけで,ネット接続できることになる。もちろんサーバーを公開したいとか,より高い希望があるならお金を払って接続環境を整えればよく,まずはすべての人に,つながるベースは提供されるべきである。こんな幸せな街になら,ぜひ住みたいと思ってしまうな。フィラデルフィアの空は,高く,青い。



 
[2005.04.09]
  精必点


 ▼Gadgets rule on college campuses(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/2005-03-28-college-tech-usat_x.htm


 教授はいなくなり,政治家は死に,企業は潰れていく。だが,ネットワークは変わらない。

quote:大学はいま,ノートパソコンや携帯電話などによって大きく変化している。ノースカロライナ大学は学内のほとんどで無線LANを使用でき,2年生のダックス・バーケイ氏はどこでも彼のノートパソコンを開いている。教授の授業がおもしろくないなら友だちとIMや電子メールをし,学生寮では数フィート離れたところにいるルームメイトにIMを送り,1階上にいる仲間と携帯電話で話す。学内を歩くときはiPodを使う。これは今日の普通の学生生活だ。キャンパスの一部で無線LANを導入している大学は2000年に30%だったが2004年には80%になり,20%はキャンパス全体が無線LANのエリアになっている。6.2%の学校は学生にコンピュータを与えるか持つことを求めている。

 わたしが学生だったときは大学にパソコンのある部屋があって(情報技術なんたら室とか云うところ),そこでインターネットに接続できたらしい。らしいと云うのは行ったことがないからで,代わりに自宅で28.8kbpsのモデムで接続していた。でも従量制がお金もかかるし,ずっとやってもいられない。大学とネットワークはまったく別個のものだったのだが,それがいまは大きく変化しているのだろう,まぁ当たり前だが。いまの状況は年寄りからみるとうらやましい限りで,遊びも勉強も,生活すべてが大きく変化するだろうと思う。

 記事中にあるが,ノースカロライナ大学チャペルヒル校は,学生が自分のものか2000ドルで買うかしてノートパソコンを持つことを求めると云う。大学の責任者のダン・リード氏はネットワーク化された社会への準備をさせなければいけないと述べる。ネットワーク上から情報を収集して来れない人間は役に立たない。存在価値がない。ネットワークに意味を持たせる能力がない人間も,必要とされない。それが社会のカタチとなる。それを知る最後の機会が,大学であってもよいだろう。さて,日本の大学は,どうだろうか?



 
[2005.04.07]
  できる個人情報漏洩対策


 ▼ID theft is inescapable(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/03/23/id_theft_cannot_be_escaped/


quote:2005年3月は,個人情報大漏洩の頂点として,後世に名を残すかもしれない。3月だけで,カリフォルニア州立大学は5万9000人の学生,教授,スタッフの,ボストン大学では12万人の同窓生の,氏名,住所,社会保険番号が外部侵入者に奪われた。靴小売業のDSW社で10万人以上,チョイスポイント社では15万人以上の顧客情報が,バンク・オブ・アメリカ社では120万人の政府従業員の財務データを記録するバックアップテープがなくなったと報告した。給料支払いの依託を受けるペイマックス社は,顧客2万5000人の給与記録を暴露してしまった。ジョージメイスン大学でも外部侵入者によって3万人の学生,教授,スタッフの個人データがアクセスを受けたのを謝罪した。これらで重要なのは,どれもオンラインでの侵入による盗難ではないということだ。

 日本でもたぶんいろいろと個人情報流出しました報告があったような気がする,きちんとみてないけど。たぶんニュースサイトを漁ればすぐみつかるだろう。The Registerの見解では,レンガとモルタルの建物のなかでは個人情報が被害に遭うことはないと安心している人が多いが,んなことあるわけないと云う。ハッカーやクラッカーがウェブサーバーに侵入して顧客のデータを盗み出すなんてこは上記の山ほどある個人情報漏洩のなかになく,ほとんどは外部からの侵入者がパソコンに直接触って持ち出したり,管理者が持ち歩いていたデータが失われたり盗まれたりしてるだけだ。

 ネットワーク経由でデータを盗まれるなんて,よほどのバカかマヌケでないとしてしまうことなんてない,ってこと。思い返せば日本で個人情報漏洩のトップランカーとなっているヤフーBBのもそうだ。ACCSのように,ほとんどブラウザだけで情報を持っていかれましたなんてのはよっぽどマヌケな変態集団だったという証拠である。

 で,あれこれある個人情報漏洩にどんな対策を取ればいいのかになるんだけど,結局のところ対策と呼べるような対策などない。個人情報保護法案なんてのもあるらしいけど,なんの役にも立たない。結局のところ,この相手にならこの情報を渡してもいい,間違ってそれが漏洩されてもまぁ仕方ないと諦められる,というなら情報を渡せばよいと云うことだ。つまるところノーガード戦法でしかないんだけど,まともな相手かどうかは普段の動きやネットワーク上にある話をきいてればわかるでしょ。テメエで渡しておいて,あとで文句云ったって遅いってことに尽きるのだが。



 
[2005.04.05]
  ディスクサイズジャーナリング


 ▼PC Drive Reaches 500GB(PCWorld.com)【英語】
  http://www.pcworld.com/news/article/0,aid,120102,00.asp


quote:日立社の新しいデスクスター7K500は,容量が500GBに到達する最初のハードディスクドライブになる。音楽や映像の保管のためにより大きい容量が求められているため,新しい垂直記録方式(別ページ参照)を取り入れている。インターフェイスはシリアルATAとシリアルATA2で,新しいマザーボードやアダプタは必要ない。500GBのドライブは今年第2四半期に出荷予定だ。また,ドライブ容量は2006年後半までに1TBに達することになるだろう。

 現在,手軽に買える金額(〜2万円ぐらい)の内蔵ハードディスクは,200〜300GBくらい。400GBだと3万円オーバーという感じだろうか。垂直記録によって容量の加速が進み,ワンディスクでのTB(テラバイト)化がもうみえている。垂直記録による容量の拡大は,2010年ぐらいまで進むらしく,なんに使うかは置いといて,とにかく大きくていけないものはない。

 閑話休題。ハードディスクの話をきくと,人間ひとりはどれくらいの容量だろうかといつも思う。だがよくよく考えれば,世界でいちばんの物知りの脳味噌でもグーグルのキャッシュディスクの1%を大きく下回る記録しかないだろう。で,自分のことを考えて,頭の中にあるすべての記憶を,文字も音楽も映像も全部全部ファイル化していくと,もしかしたらDVD-R1枚程度に収まるのではないかとガックリと落ち込む。そこでふと,昨晩観た夢の映像を思い出す。あれらも全部含めれば,もうちょっとディスク容量が多いことにならないだろうか?

 だが夢の映像がどこから出てきたのかは不明だ。必ずどこかで観た光景の記憶だけでない気もするし,ストーリーについては奇想天外だ。夢は記憶を消去する作用を持つ,と云う説を唱えたのはノーベル賞学者のフランシス・クリック氏だった。さまざまなことを記憶していくうちに,記憶に混乱や間違いが生じる,それを消去するために夢としてランダムに想起し,消去する。ランダムだから,観たこともない風景だし奇想天外になる。その説に乗って,夢は記憶修復の一手段でしかないとしても(マックOS Xユーザーなら,HFS+のジャーナリング機能と考えるのが適切かも),おや? 夢にランダムに表れてくるものもすべて一度は記憶されていたとなると,もうちょっとディスク容量があるって考えてもいいのかな。一度も観られたことがないグーグルのキャッシュだって,きっとあるだろうし。



 
[2005.04.03]
  罪たるもの


 ▼'Game theft' led to fatal attack(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/technology/4397159.stm


 ワイヤードの秩序と,リアルの法律が背反することは多い。そのとき,ワイヤードで生きるべきか,リアルで生きるべきか,選択することになる。どちらを選ぶかは,もう決まっているけどね。

quote:レジェンド・オブ・ミール3(Legends of Mir 3)というオンラインゲームで,貸したドラゴンサーベルを勝手に売られたことに腹を立てた上海のゲーマーが,貸した相手のユーザーの左胸を強く突き刺されて殺害したと,中国日報が伝えている。被害者は,剣を売った金額を渡すと伝えたが,加害者は忍耐を失って攻撃を加えた。ドラゴンサーベルは,7200元(約9万4千円)で売られたと云う。中国にはゲーム内のアイテム盗難をカバーする法律がなく,加害者は自首して故意であったことを認めたがどのような罪に問われるかはまだ不明だ。

 日本でも,リネージュで元恋人のアカウントでアクセスして武器などのアイテムを捨てたりした女性が書類送検されるというニュースがあった(Yahoo!ニュースの記事キャッシュ)。だがそのリネージュの話では,不正アクセス禁止法違反,と云う意味不明な罪名がついているのが笑えた。別にアカウントを使ってアクセスしてもなにもしてないなら怒りは収まるはずで,アイテムを捨てた,と云うことを罪に問うのが当然だろう。万引きしようと店に入ったけどなにもせずに出てきた人を,窃盗の罪で逮捕すると云ってるようなものだ。ものすごい勢いで頭が悪過ぎる。

 わざわざリアルで会いに行って左胸をザックンザックン突き刺すのも面倒だとは思うが,まぁそうしたいほどの気分だったんだろう。わたしが裁判官なら,当然勝手に売られたドラゴンサーベルの分を情状酌量とするだろうが,中国の(そしてたぶん日本の)裁判官のみなさんはそんなこと思いもしないんだろうな。まともな警察もまともな裁判所もないこんな国で,いつまでも生き続ける必要などない。



 
[2005.04.01]
  恐竜がいる風景


 ▼Paleontologists are thrilled to the bone(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/science/discoveries/2005-03-28-palentologists-trex_x.htm


 恐竜がワニやトカゲのような色で描かれていることが多いのは,変温動物としての色であり,恒温動物ならもっとカラフルな恐竜がいたと考えることもできる。真っ白な恐竜や虹色の恐竜がいても,おかしくないのだ。

quote:6800万年前のティラノザウルスの化石に,血管が付着しているのが発見された。同様の化石を得るためには,古生物学者はより用心深く化石の発掘をしなければいけなくなるかもしれない。今回の発見は,恐竜の脚が化石となった際,大腿骨付近で硬化した血管が残ったようだ。本来はほかの検出のために顕微鏡でのぞいていたが,血管と骨を作る細胞がみつかった。

 恐竜は,以前は爬虫類と同じような変温動物ととらえられていた。つまり気温に合わせて体温を変える生き物と考えられていたが,のちに人間などと同じ恒温動物だったのでは,と云う意見が強くなってきた。もしかしたら今回の恐竜の血管と細胞の発見は,それになんらかの確証を与えるのかもしれない。

 話はやや変わって,なんで恐竜が絶滅したかはよく話題になる謎である。隕石などによって…ときくこともあるが,地球上の広い範囲に生息していたと思われる恐竜が数個の隕石で絶滅するわけはない。隕石などなんらかの影響で気温などが変化したことが影響したとするなら,恒温動物であった可能性が大きい。また,恐竜はすべてがいっぺんに絶滅したのではなく,いま空を飛んでいる鳥に変化して,生き残っているという説もある。つまり,鳥は恐竜の進化の果て,と云うことだ。記事のなかにも,今回の恐竜の化石にあるたんぱく質によって,鳥との関係が研究できるとある。もしかしたら,数年後にはジュラシックパークの様子も,かなり変わるかもしれないな。



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